Dec 14, 2009
赤ら顔を克服する方法
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シャープは3日、テレビ用を中心に採算が悪化している液晶パネル事業のテコ入れ策を発表した。テレビ用パネルを生産してきた亀山工場(三重県)をスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末に使う中小型パネルの生産拠点に衣替えすることなどが柱で、今後の液晶事業は中小型や電子看板用などの「超大型」に注力する。一方、テレビ用パネルについては台湾メーカーの鴻海(ホンハイ)精密工業と部材を共同調達する提携計画も浮上している。
「勝っても赤字の市場では戦わない」。同日都内で開いた会見で片山幹雄社長が示した液晶パネル事業の方針は明快なものだった。もうからない分野は縮小し、成長分野に集中投資するという“王道”の戦略だ。
40型以下の液晶テレビは猛烈な勢いで価格下落が進行し、韓国サムスン電子やLG電子の「世界2強」ですら赤字だ。基幹部品の液晶パネルも「世界中で在庫があまり、外部に売る必要がない」(片山社長)ほど市況は悪化している。
このため、シャープは亀山工場でのパネル生産をテレビ用に使う大型から、スマホやタブレット端末、ゲームなどに使う中小型にシフト。この結果、2011年度の液晶パネルの販売額は大型が3割減となる一方で中小型が5割も増え、パネル全体に占める中小型の割合は10年度の35%から50%超に高まる。
自社生産を大幅に縮小する30型前後のテレビ用パネルについては、提携関係にある奇美電子など台湾メーカーからの調達を拡大する方針だ。また、奇美の親会社である鴻海精密工業と提携し、パネル用の部材を共同調達する合弁会社を設立する計画も新たに浮上している。この計画に関し、片山社長は明言は避けたものの「海外企業と一緒に共同設計や共同調達をすればコストは下がる」と述べた。
液晶パネルのもう1つの成長分野と見込むのが、60〜70型以上のテレビや電子看板(デジタルサイネージ)などの超大型。米国や中国では60型以上の液晶テレビの引き合いが強く、今年は「米国での60型以上の販売台数を前年の5倍に伸ばす」(片山社長)という。
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[東京 3日 ロイター] シャープ<6753.T>は3日、2012年3月期の連結当期純利益が69.1%減の60億円になると発表した。スマートフォンやタブレット端末向けの中小型液晶パネルの比率を高めて営業利益の増益を図るが、4―5月に液晶パネル工場を停止したことや液晶事業の構造改革費用の計上が最終利益に響く。
今期の売上高は0.9%増の3兆0500億円、営業利益は22.9%増の970億円を予想。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、東日本大震災後に予想を見直したアナリスト20人の営業利益の予測平均は548億円で、会社予想は強気となった。
記者会見した片山幹雄社長は、今後の液晶事業について「成長市場の中小型液晶にテレビ液晶からシフトする」とした。また、液晶テレビ事業については「世界でコモディティ化した中型の液晶テレビから、(60型以上の)大型液晶テレビやデジタルサイネージなどへのシフトを図る」と述べた。
<液晶事業の営業利益は+88.2%へ>
今期の営業利益段階では、液晶事業においてテレビ用の大型パネルの製造比率を引き下げて収益性の高いモバイル用の中小型パネルの比率を高めて増益を計画。液晶事業の売上高は前年比0.6%減の1兆0200億円の見通しだが、モバイル用パネルの売上比率を50%強(前年同期は35%)に高めることで、同事業の営業利益は88.2%増の320億円を見込む。ただ、大型液晶は通年で赤字が残るという。
一方、4月上旬から5月15日までテレビ用パネル製造拠点の亀山第2工場(三重県亀山市)と堺工場(大阪府堺市)の操業を停止していたことで、4―6月期に270億円の特別損失を計上。さらに、亀山第2工場の製造設備を中小型パネルに転用するなど液晶事業の構造改革費用で150億円を特損計上するため、通期で大幅な最終減益になる見込み。
4―6月期の営業利益は、大型液晶の収益悪化で前年比91.1%減の20億円にとどまる見込みで当期純損益は500億円の赤字(106億円の黒字)になる見込み。
12年3月期の液晶テレビ「アクオス」の販売計画は1500万台(前年同期は1482万台)。堺工場での60型以上のテレビの生産能力は400―500万台程度だという。太陽電池の販売量は1700メガワット(同1242メガワット)を計画。携帯電話は960万台(同974万台)を計画する。為替の前提レートは、ドル/円83円(前年実績は84.7円)、ユーロ/円118円(同111.6円)とした。
<テレビ用パネルは大型に集中>
液晶事業の構造改革では、亀山第2工場の設備を改造し、年内に中小型液晶の生産を開始する。今期中にテレビ用液晶の生産比率は従来から40%減少し、12年度には80%減少する見込み。
一方で、堺工場では60型以上の「超大型」のパネルの製造に集中していく。ただ、亀山第2工場で生産を減らす20―40型の中型パネルは、新興国で需要が拡大する液晶テレビの中心サイズになるため、同社の技術を供与した中国・南京市の第6世代工場や台湾の奇美電子<3481.TW>など、海外メーカーから中型パネルの調達を拡大する。
片山社長は、奇美電子の親会社の鴻海精密工業<2317.TW>と液晶パネル部材を共同調達する合弁会社を作る方向で提携交渉を行っているとの一部報道について「海外企業と一緒になってコストを下げる取り組みは否定しない」と述べた。
また片山社長は会見終了後、一部記者団に対し、中国での液晶パネル工場の建設計画について「(中国政府からは)第6世代に続いて第10世代や第8世代をやるようにという指導はありそうだが、検討や話し合いが止まっているのは事実」と述べた。
(ロイターニュース 村井 令二)
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